
Movable Type(ムーバブルタイプ)とは?CMSとしての特徴やWordPressとの違いを紹介
Movable Type(ムーバブルタイプ)とは、国産CMS(コンテンツマネジメントシステム)の名称です。CMSとは専門的なプログラミングの知識がない人でも、Webサイトを簡単に構築・運営できるように設計されたツールのことをいいます。
CMSには数多くの種類がありますが、世界で1番シェアが多いのはWordPress(ワードプレス)です。現在インターネットに公開されているサイトのうち、約42%がWordPressを使用しており、CMS業界内でのシェアは約65%にも達します。Movable Typeのマーケットシェアは、世界全体で見ると0.1%以下ですが、日本国内では上位を占める主要なCMSです。
Movable Typeは2001年に開発されてから現在まで更新が続けられており、「Movable Type7」が最新版となっています。Movable Typeのクライアントは公式サイトからダウンロードして利用可能です。
Movable Typeの特徴

Movable Typeは1アカウント作成すれば、そこから複数のサイト管理を行うことができます。作成できるコンテンツの種類は、「記事」「ウェブページ」「コンテンツタイプ」の3種類です。
Webサイトの構築にはHTMLタグを使ったコーディングも可能ですが、Movable Type内だけで動作する「MTタグ」という独自タグを用いて、サイトを構築することもできます。またページ構築をより直感的に行えるよう、ブロックエディタが導入されているのも特徴です。
Movable Typeを利用するユーザーが複数人に及ぶ場合は、アカウントを利用するユーザーを任意のグループに分けて管理することが可能です。またグループごと、ユーザーごとに「いじれる項目、いじれない項目」を権限で細かく設定することもできます。
ソフトの機能にはバージョンによって多少の差があるため、機能やUIの詳細なハウツーは、公式サイトの製品別マニュアルを参照するとよいでしょう。またMovable Typeを用いてWebサイトを構築していくうえでの技術的な疑問は、公式リファレンスで回答が得られる場合があります。
Movable TypeとWordPressの違い
WordPressは日本国内でも、世界的にも、今やWebサイト構築のスタンダードといえるまでになっています。しかしMovable TypeにもWordPressとは異なる特徴があるため、利用するシーンやユーザーの好みによっては、WordPress以上に快適なCMSとなるかもしれません。
Movable TypeとWordPressの違いを大きくまとめると、次の表のようになります。
項目 | Movable Type | WordPress |
---|---|---|
利用料金 | 基本的に有償 ※ただし個人利用専用パッケージは無償で利用可能 | 無償 ※購入が必要なテーマもあり |
拡張性 | 低い ※オープンソースでなく、有志によるプラグイン開発が行われていない | 高い ※オープンソースソフトのため、有志が開発したプラグインを自由に利用可能 |
1アカウントで作成できるサイト数 | 複数 | 1つ |
周辺サービスとの互換性 | 低い | 高い |
公式サポートの受けやすさ | 受けやすい ※国産CMSのためヘルプもサポートも日本語。開発元が手厚いリファレンスを公開している。契約プランによってはメールでテクニカルサポートを受けられる。 | 受けにくい ※基本的にヘルプやフォーラムサイトは英語。 |
ノウハウの見つけやすさ | 低い ※利用率が低いため、同様の問題を抱えているユーザーの母数が少なくなりがち ※国産CMSのためヘルプもサポートも日本語。開発元が手厚いリファレンスを公開している。契約プランによってはメールでテクニカルサポートを受けられる。 | 高い ※日本でもシェアが高いので、同様の困りごとを抱えているユーザーを見つけやすい |
Movable Typeのライセンスの種類と料金

Movable Typeは基本的に、有料のパッケージまたはサブスクリプションを購入して利用するCMSです。商用でない個人利用(アフィリエイトは可能)に限り、専用の無料パッケージを利用することができます。
個人ユーザー以外の利用は、用途にかかわらず有償ライセンスの取得が必要です。
有料プランの料金は以下の表の通りです。
パッケージ種別 | 料金 |
---|---|
Movable Type Cloud | 月額5,500円~(税込) ※月額料金には「メールでのテクニカルサポート」と「最新バージョンの提供」が含まれる。 ※料金はサーバスペックなどによって変動するため、詳細は公式サイトを要確認 |
Movable Type ソフトウェア版(オンライン版/パッケージ版あり) | 最新バージョン(Movable Type7)99,000円(税込) ※パッケージ版は、パッケージ1本につき+3,300円(税込) ※購入から1年間、メールによるテクニカルサポートと最新バージョンの提供が付属 |
Movable Type Workflow pack | 198,000円(税込) ※ソフトウェア版のライセンス+ワークフロー機能を追加するプラグインの同梱版 ※購入から1年間、メールによるテクニカルサポートと最新バージョンの提供が付属 |
Movable Type staging pack | 275,000円(税込) ※ソフトウェア版のライセンス+開発・本番・ステージングの3環境を同期させるプラグインの同梱版 ※購入から1年間、メールによるテクニカルサポートと最新バージョンの提供が付属 |
年間メンテナンス | 1年間33,000円(税込) ※購入から1年間、メールによるテクニカルサポートと最新バージョンの提供が付属 ※ソフトウェア版に付属の1年サポートが切れた場合、こちらを購入してサポートを継続する必要がある |
このほか、大企業での大規模な利用を想定したエンタープライズ版や、学校および教育団体に向けてディスカウントされたアカデミックディスカウント版、さらに公式プラグインの販売も行われています。詳細は公式サイトの製品・サービスページをご確認ください。
適切な利用シーンでMovable Typeを活用する
「1組織で複数のサイトを管理したい」「更新コンテンツが大量に発生する可能性がある」「社内のWebサイト運営の知見が少なく手厚くサポートを受けたい」といった場合は、WordPressではなくMovable Typeを選ぶ方が適切かもしれません。
Movable TypeとWordPressのどちらを選んだとしても、最終的に実装できるサイトデザインやサイトUIについて大きな差はありません。どちらも基本的にはHTMLやCSS、PHP、Javascriptといったプログラミング言語をベースにしているため、ある程度のプログラミング知識があればサイトの仕上がりに差は出にくいでしょう。
Movable TypeとWordPressでは、主にサイトの管理・運営面で大きな違いがうまれてきます。WordPressは無料で利用できますし、Movable Typeも30日間の無料トライアルパッケージが利用可能です。実際に触れてみて、比較をしてからどちらを導入するか決めるとよいでしょう。
Webサイトは「1度制作しておしまい」ではなく、その後も長く更新し続けることで財産となります。「現場で日々の運用を担当する人間が使いやすいかどうか」を基準にCMSを選ぶことで、継続しやすい運用環境が作りやすくなるはずです。
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